ハンドルネーム「ドルイドキング」こと与党「共に民主党」元党員キム・ドンウォン被告によるインターネット上での世論操作事件と関連して、特別検事は慶尚南道の金慶洙(キム・ギョンス)知事が2016年12月から今年2月までキム容疑者と共謀し、118万件に上る書き込みを8840万回不正にクリックする手口で世論操作を行った容疑を確認した。金知事は16年11月にキム容疑者のオフィスを訪れた際、キム容疑者から不正クリックを行うプログラムを見せられた。その際、金知事はこのプログラムの開発と運用を認め、それによって世論操作が本格的に始まったという。金知事は一連の容疑を否定しているが、裁判ではどちらの言い分が正しいか法律と証拠に基づいて明らかになるだろう。
2012年の大統領選挙当時、国家情報院が同様の事件を起こしたことについて共に民主党は「国の綱紀を乱す犯罪行為」などと批判していた。もちろん今回のドルイドキング事件に国家機関は介入していなかったが、大統領選挙を見据えた組織的かつ違法な世論操作という点では共通している。金知事とキム容疑者が共謀して行った違法行為は8840万件に上り、その規模は12年の国家情報院の数十倍、数百倍に達する。またそのやり方を見ると、国家情報院が小学生レベルだったとすれば、ドルイドキングは大学生レベルだったとの見方もある。検察と警察のずさんな捜査によってすでに多くの証拠が消されたため、特別検事が解明した内容は今回のレベルにとどまっている。
金知事は今年6月の統一地方選挙まで世論操作を続ける見返りに、ドルイドキングに対して仙台総領事の地位を提示したとされるが、この容疑についても特別検事は確認したようだ。今回の特別検事による捜査の際、共に民主党は自分たちの書き込みを「良いボランティア」、国家情報院によるものを「悪い政治工作」と主張し特別検事に圧力を加えた。いずれにしても与野党に関係なく今回の事件を、世論操作という悪弊を完全に断ち切るきっかけにすべきだ。