韓国政府が、国内で30年以上営業している優秀な飲食店を発掘して支援する。中小ベンチャー企業部(省に相当)は18日、優秀な中小店舗経営者を広報や金融支援などさまざまな政策で後押しする老舗店舗育成案を発表した。対象は現時点で創業30年を超える中小の卸売り・小売り業者と飲食店。今年8月までに100店舗を選定し、「100年店舗」の認証取得を示す看板を提供するほか、中小店舗経営者向け政策資金の金利優遇などの措置を実施する。2022年までに1300店舗の選定を目指す。
韓国では現在、自営業者らが年間78万店舗を創業しているが、そのうち71万店は廃業するなど創業・廃業の入れ替わりが激しく、悪循環に陥っている。さらに韓国には100年以上続く老舗が90か所しかない。一方の日本は100年以上続く老舗が2万2000店以上ある。
中小ベンチャー企業部は今回の政策と併せ、法務部と協力して商店街に入っているテナントの契約更新請求権の行使期間を現行の5年から10年に延長することも検討している。一度出店したら10年間は同じ場所での営業を保障するという内容だ。また、建物のオーナーが再建築や撤去などを理由に立ち退きを求めてきた場合、営業施設の移転費用を保障する「退去保障制」の導入も推進している。
キム・ビョングン小商工人政策室長は「100年店舗の支援と共に、このような優秀な自営業者のノウハウを広く伝え、自営業者の創業後の生存率を高めるのが今回の政策の目標」と述べた。