平昌五輪:怖いけど心引かれる「人面鳥」、一夜にしてスターに

高句麗の壁画からインスピレーション 想像上の鳥
日本でヤフー検索語1位 大きな反響

平昌五輪:怖いけど心引かれる「人面鳥」、一夜にしてスターに

 鳳凰(ほうおう)のように細い体に人間の男の顔が付いている。白い顔にはっきりとした目鼻立ちで無表情。白の伝統衣装、頭には小さな冠も。その姿は奇怪で不自然だ。9日、平昌冬季五輪開会式のステージに登場した「人面鳥」は、公式マスコット「スホラン」と「バンダビ」を抜き最高の話題を呼んだ。

 人面鳥は開会式序盤に四神を意味する青龍・白虎・朱雀・玄武やさまざまな動物たちと共に登場した。人面鳥は高句麗時代の複数の古墳壁画に描かれている伝説の生き物だ。「千秋」や「万歳」という名で呼ばれることもある。宋承桓(ソン・スンファン)平昌五輪開会式・閉会式総監督は人面鳥について「高句麗の古墳壁画からインスピレーションを得た。多くの動物たちが平和を共に楽しむいにしえの韓国の姿を表現したかった」と話した。

 開会式の生中継を見た視聴者たちは当初、「夢に出てきそうで怖い」「子どもが見たら泣きそうなビジュアル」などと否定的だった。しかし、開会式が終わった後は「見れば見るほど心引かれる」「人面鳥が頭の中をぐるぐる回っている」という反応が続き、ポータルサイトでリアルタイム検索語1位になった。特に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「ツイッター」や「インスタグラム」には、ユーザーらが描いた人面鳥のファンアートが一日に100件以上投稿された。ファンアートとは芸能人や漫画・小説の主人公など好きなものをテーマに描いた絵のことだ。人面鳥をかっこいい男性やかわいい鳥のように美化して描いたものがほとんどだった。人面鳥が高句麗時代の服を着た女性を優しく包み込んだり、スホランとバンダビを乗せて空を飛んだりしている絵もある。

 海外での反響も熱い。朝日新聞デジタルは9日、「突然現れた『人面鳥』に驚き、実は平和象徴」という見出しの記事を掲載した。この記事は同日、日本最大のポータルサイト「Yahoo!JAPAN(ヤフージャパン)」で最高ヒット数を記録した。中国版ツイッター「ウェイボー(微博)」も人面鳥が人気検索ワードになった。米国の情報技術(IT)専門メディア「The Verge(ザ・バージ)」は「恐ろしい存在だった人面鳥が世界の関心を浴び、ファンアートブームまで巻き起こした」と報じた。約1000年ぶりに我々の前に姿を現した人面鳥は一夜にして世界のスターになった。

卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者
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