「原子力発電と安全性に関する限り、韓国はトップレベルの技術力を持っている。福島原発事故のような悲劇が起こらないように管理する能力は十分だと思う」。15日(現地時間)、フィンランドのヘルシンキで会ったフィンランド雇用経済省エネルギー局のヨルマ・アウレラ(Jorma Aurela)チーフエンジニア=写真=は「脱原発の決定は韓国政府がすることだが、少なくとも60年間稼動可能な原発に関する政策を変えるのは慎重になるべきだろう」と述べた。
同氏は「フィンランドは原発を『二酸化炭素を排出しないクリーンで合理的なエネルギー源』だと考えている。フィンランドの原発の割合は80年以上、現行の水準を維持する」と語った。
同氏は2002年まで20年間ロビーサ(Loviisa)原発に勤めた原子力エネルギー専門家で、フィンランド国内の原発許可を管轄する実務責任者だ。2007年には国際原子力機関(IAEA)運転安全調査団(OSART)の一員として3週間韓国に滞在、全羅南道霊光郡にあるハンビッ原発の点検に加わった。
2011年の福島原発事故については、「防ぐことができる災害だったため、なおのこと残念だ。福島原発周辺の海岸防護壁の高さが十分でないというIAEAの指摘があったが、日本は事前に対処していなかった」と述べた。しかし、この事故は世界各国が自国の環境に応じた危険要素を振り返る契機になったという。同氏は「フィンランドで地震や津波が発生する可能性は少ないが、厳しい冬の寒さや吹雪などの潜在的リスクがある。福島原発事故直後、すべての原発について強度の高いストレス・テストを行い、安全性を再確認した」と述べた。
また、原発反対勢力の説得も重要だとして、「政府は喜んで市民との討論に臨んでおり、市民も政府の説明に耳を傾ける。原発政策に関する質問や意見がある時は、誰でも自分の携帯電話で電話をかけ、会うことができる」と強調した。