「模擬試験を一度も受けずに大学入試で満点を期待するようなもの」
カーリング女子韓国代表のキム・ミンジョン監督(36)は11日、本紙の電話取材に怒りを爆発させた。史上初の五輪メダルを狙うカーリング韓国代表チームは平昌五輪まであと182日と迫っている中、大きな問題に直面している。五輪カーリング競技が行われる江陵カーリングセンターが不良施工・管理で今年3月から閉鎖されているからだ。専門家は「江陵カーリングセンターのセメントの床全体に亀裂が生じ、3-4センチへこんでいる状態だ」と語った。現在はセメントの床全体をはがし、再び敷く作業をしている。
このため、韓国代表は自国の競技場で事前に競技力を引き上げる「ホーム・アドバンテージ」(開催国の利点)を逃している格好だ。江陵カーリングセンター(3500席)を除けば、観客席がきちんと備わっているカーリング場は国内に1カ所もない。キム監督は「国内の観客の応援が集中した時、どのようにプレッシャーを乗り越えるべきなのか、選手たちはあらかじめ経験しておかなければならない。来年2月に満席の江陵カーリングセンターで試合をすることになるはずないのに、韓国の選手たちには経験がない」と言った。キム監督の言葉通り「氷の上のチェス」と呼ばれるカーリングは平常心を保つことが最も重要だ。観客が多く室温が上がると氷質も微妙に異なることがある。このようなことまですべて把握できて初めて、開催国のメリットを生かすことができる。男子代表のチャン・バンソク監督(35)は「カーリングはストーンを置く指先の感覚で勝負が左右されるスポーツ。わずかな差が結果に大きな影響を与える可能性がある」と話す。
大韓カーリング競技連盟によると、江陵カーリングセンターは今年10-12月ごろにあらためてオープンする予定だ。カーリング韓国代表選手団ももどかしさを訴えている。選手たちは同日、慶尚北道義城カーリングセンターで行われた記者会見で、「江陵カーリングセンターを年内にオープンできないなら、模擬試験として(ほかの)国内大会をしてほしい」と切望した。
同連盟関係者は「海外合宿で試合感覚をを磨く以外、適切な対応策がなくてもどかしい」と話している。