韓国の中心部3カ所を「占領」しているテントの中で、最も遅い今年2月に張られたのは、政府ソウル庁舎前の違法テントだ。「南北経済協力企業の生存権保障のための非常対策本部」(以下、非常対策本部)が統一部(省に相当)に対して「2008年の金剛山観光中止と10年5月24日の対北朝鮮制裁で受けた被害を補償せよ」と訴えてテントを張った。3日現在で座り込みは77日目になる。開城工業団地入居企業123社は座り込みに参加していない。これら以外の南北経済協力企業1146社が非常対策本部を結成、「合計5200億ウォン(約520億円)の支援を受けた開城工団入居企業とほぼ同じ水準の会社存続対策を講じよ」と主張、座り込みを続けている。管轄機関のソウル市鍾路区庁は、政府庁舎前のテントに対して何の法的措置も取らずにいる。ソウル市は「うちの所管事項ではない」と傍観している。
光化門広場には、沈没した旅客船「セウォル号」関係者のテント14張りが並んで1025日が過ぎた。そのうち11張りは2014年7月にソウル市がセウォル号遺族のために用意したテントで、あとの3張りは違法テントだ。違法テントには「セウォル号真相究明」のほかに「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備撤回」「財閥解体」「国家情報院解体」などのスローガンが書かれた旗が立てられている。
ソウル広場は今年1月21日に「朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾無効国民抵抗総決起本部(以下、総決起本部)」などが設置したテント40張りによって103日にわたり「占領」されている。ソウル市は2月末、ソウル広場を無断で占有したとして総決起本部の代表など7人を集会およびデモに関する法律違反などで告発、先月中旬には弁償金4000万ウォン(約400万円)を課した。しかし、ソウル市は3年近くの広場を占有しているセウォル号関連テント11張りには「合法」という理由で何の措置も取らず、3張りにのみの弁償金920万5000ウォン(約92万円)を課した。総決起本部側は「光化門広場のセウォル号テントが片付くまで我々も残る」と主張している。同市は予定より1カ月以上遅れた先月13日になってようやく広場全体の面積(6449平方メートル)のうち、テントが占拠している部分(1450平方メートル)を除いて芝を植える作業を行った。