「最近の政治・軍事的問題のためにも、必ず勝たなければならない。高麗棒子(中国人が韓国人をさげすむ時に使う言葉)を踏みつけなければならない」
これは、23日に中国湖南省長沙で開催される2018年国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の韓国対中国戦を前に、中国人サポーターたちがウェイボー(微博:中国版ツイッター)に載せた書き込みだ。「正直に言って、(中国の)W杯進出という奇跡は考えられなくなくなったが、今回は韓国を相手に気概を見せなければ」という言葉が続いた。別のサポーターは「夢で中国は負けたが、夢は反対だ。高麗棒子どもよ、3月23日に長沙でかかってこい」と書き込んだ。
中国の「球迷(熱狂的なサポーター)たちが変わった。今回は「ほかの国はともかく、韓国にだけは絶対勝たなければならない」という空気が広まっている。これまではサッカー韓中戦が近づくと、中国のサポーターたちは「自虐的」に言動を見せていた。「今回も韓国戦勝利は難しそうだ」「負けても点差が少なければ勝ったのと同じ」などだ。事実、試合結果が悪いと「我々のライバルは韓国ではなくタイやベトナム」という嘆きがインターネット上にあふれた。中国は1978年の初戦以来、韓国と31回対戦してたった1勝(18敗12分)という「恐韓症」だ。
だが、今回は雰囲気が全く違う。韓国が国内に終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備する件をめぐり、このところ高まっている反韓感情がサッカー界にも広がっている。中国の一部メディアや有名人が反韓感情をあおり、中国のサポーターたちは「W杯で脱落してもいいから韓国にだけは勝ちたい」と叫んでいる。