先日、「ソウル・ユース・フォーラム(Seoul Youth Forum)」で特別講義をした。韓国で暮らす外国人留学生が韓国社会や文化についてよりよく理解できるよう支援するため企画されたプログラムだ。この日のテーマは「K-POPのグローバル化」だった。多くの外国人留学生が積極的に質問し、討論にも参加してくれたおかげで、楽しい特別講義となった。
外国人留学生の数は2000年代半ばから急増している。留学生の多くは韓流ブームを通じて韓国のポップカルチャーに親しみ、韓国で勉強したいと心に決めてやって来た。テレビドラマを見て韓国語や歴史に、K-POPを聞いて韓国の文化や文化産業システムに関心を持って、韓国に行こうと決心したのだ。特に、東アジア圏において韓国のポップカルチャーはしっかりとした地位を築き、「韓流ブームは一時的な流行に過ぎない」という予想を裏切る形になっている。韓国のポップカルチャーは東アジアを中心にアジア全域で広く愛される「地域文化(regional culture)」として定着したのだ。
筆者が若かったころを振り返ると、日本のポップカルチャーが大変な人気だった。特に、日本のポピュラー音楽「J-POP」が大人気だった。だが当時、日本のポップカルチャーは正式には韓国への輸入が禁止されていた。1990年代から2000年代にかけて日本のポップカルチャーが開放されるまで、韓国では海賊版など非公式な方法を通じてしかJ-POPに接することができなかった。
当時J-POPについてよく知っている人は流行の最先端にいる人で、おしゃれな趣味の持ち主と認識されているようなムードがあった。中学生のころ、放送部の友達が昼食時の校内放送で、当時人気絶頂だったロックグループX Japanの歌を流したところ、「禁止曲を放送した」という理由で先生に大目玉を食らったこともあった。
しかし、20年以上が経った今、東アジア地域でクールな音楽という位置付けはK-POPのものになった。それに比べ、J-POPは「かつての栄光」を失い、マニアたちが楽しむ音楽へと変ぼうした。K-POPがものすごい事をやってのけたという事実は明白だ。