南海(東シナ海)で行われている多国籍海上合同訓練に参加している海上自衛隊が、韓国海軍の大型輸送艦「独島」(排水量1万4500トン級)=写真=が加わる訓練には参加できないという立場を韓国側に通知したことが27日までに分かった。これは、日本が独島を竹島と呼び、領有権を主張している状況で、「独島」という名前の韓国の軍艦を訓練のパートナーとして認めたくないという意味だ。海上自衛隊は今回の訓練で、韓国ではかつての軍国主義の象徴とされる旭日旗(自衛艦旗)を掲げて鎮海海軍基地に入港したのに続いて「独島」との訓練もボイコットし、非難の声が高まりつつある。
韓国・米国・日本・オーストラリア・シンガポール・マレーシアの6カ国は、今月25日から鎮海・済州島付近の海域で「第7回西太平洋潜水艦救難訓練(パシフィック・リーチ2016)」を行っている。海上訓練は29日から、前半部と後半部に分けて実施される。海上自衛隊は、訓練日程の通知を受けた直後、「独島」が訓練指揮艦として投入される前半部には参加しないと韓国海軍に通知したという。
これにより前半部の訓練には、日本を除く残り5カ国とオブザーバー12カ国が加わる。後半部には韓米日のみが参加するが、この時は「独島」ではなく救助艦「清海鎮」(4300トン級)が指揮艦を務める予定だ。韓国海軍の関係者は「日本は、前半部の訓練をボイコットする理由を明らかにしなかった」と述べつつも「自衛隊はこれまで一度も、『独島』に乗船したことがない」と語った。
これについて、27日付の朝日新聞は「海自は独島への乗艦に消極的だった。(中略)これには韓国側が譲歩し、別の艦船に変更されたという」と報じたが、韓国海軍は「訓練は当初から前半部と後半部に分かれており、日本側が独島に乗船する計画はなかった」と説明した。