韓国外交部(省に相当)の女性外交官が、このほどイランで行われた政府公式行事にヒジャブ(イスラム教地域で女性が髪を隠すスカーフ)の代わりにチョバウィ(韓国の伝統衣装・韓服の女性用防寒帽)をかぶって出席し、現地で話題になった。イランでは、外国人を含めすべての女性が外出する際は髪を覆わなければならない。
外交部によると、朴槿恵(パク・クネ)大統領のイラン国賓訪問を控えた19日、テヘランで韓国・イラン文化共同委員会が行われたが、この行事に主務課長の外交部ソン・スンヘ文化交流協力課長(46)は23年前の結婚式の時に仕立てた韓服と上着を着て、チョバウィをかぶって出席したとのことだ。ソン課長の服装については外交部内部で懸念の声もあったが、イランの官僚たちは「ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』の服装なのか」「イランの少数民族の服に似ている」「いくらで買えるのか」と好評だったという。一緒に写真を撮りたいという声が相次ぎ、会議の開始が少し遅れたほどだったそうだ。
ソン課長は「韓国の伝統的な服装がイスラム文化圏でもほとんど抵抗なく通用することが分かった。おかげで会議も和やかな雰囲気の中で行えた」と語った。韓国・イラン首脳会談を機に締結される了解覚書(MOU)2件の協議も順調に進んだという。
元学芸員で美術専門家でもあるソン課長は先月、中途採用で外交部職員となった。ソウル大学美術学部を卒業、東京大学で美術史の博士号を取得し、米クリーブランド美術館の学芸員、国立中央博物館学芸研究者を務めた。