借金を返せなくなった女性を日本などの風俗店に斡旋(あっせん)した疑いで、韓国の貸金業者らが逮捕された。
釜山警察庁の国際犯罪捜査隊は22日、韓国人女性に日本などの海外で売春させたとして、貸金業者のA容疑者(37)とB容疑者(57)、風俗店経営者のC容疑者(47)の3人を「性売買斡旋等行為の処罰に関する法律」違反などの容疑で逮捕したと発表した。また、売春した女性34人、ブローカー6人、風俗店経営者4人も立件した。
A容疑者は、2013年7月から最近にかけ韓国の大田で貸金業を営む一方、カネを貸し付けた女性に日本で売春すればたくさん稼げると持ち掛け、17人を日本の風俗店に斡旋した疑いが持たれている。
また、売春目的と疑われ日本に再入国できなかった女性をカナダや米国、オーストラリアなどの風俗店に斡旋したとされる。女性たちに入国審査での答え方を教え、100万ウォン(約10万円)相当の現金とカメラを持たせるなど、徹底して旅行客を装い入国させたという。
さらに、東京・鶯谷駅周辺の風俗店で働く女性のための営業時の注意書きを集め、売春女性の「教育用マニュアル」を作っていたことも、警察の調べで明らかになった。
一方、B容疑者は11年5月から13年3月にかけ、鶯谷駅周辺で年400%の高利で貸金業を営み、風俗店を開業したい女性などに資金を貸し付けていた。返済期限までに返せなかった女性1人のパスポートを取り上げ、風俗店に斡旋した疑いが持たれている。
C容疑者は、13年3月から最近にかけアルバイト募集サイトに広告を出して韓国人女性15人を集め、自身が経営する日本の風俗店で売春させた疑い。
日本での風俗営業は、売春する女性の側が客から電話を受けて派遣されるスタイルで、特に鶯谷駅周辺のホテルなどで盛んだ。売春女性は1時間20分で2万円、1時間40分で2万5000円、2時間で3万円を受け取り、このうち4割を雇い主に渡していたという。
これに対し、カナダや米国、オーストラリアなどでの風俗営業は、客の男性が電話をかけ、一般住宅に見せかけた風俗店を訪れるスタイルで、料金と収益の配分は日本の場合とほぼ同じだったとのことだ。