韓国の優勝に終わった野球の国別対抗戦「プレミア12」の大会最優秀選手(MVP)は金賢洙(キム・ヒョンス)に決まったが、インターネット上でのMVPは断然、呉載元(オ・ジェウォン、30)だった。
今季の韓国シリーズで優勝した斗山ベアーズの主将・呉載元は、韓国プロ野球界で最も「アンチ」が多い選手だと言われている。相手チームの選手と摩擦が多く、乱闘を起こしてベンチを空っぽにさせることで悪名高い。そのため付いたあだ名は「非好感(ピホガム=好感度が低いこと)」だった。
だが、ネット上では今回のプレミア12優勝で、呉載元のあだ名が「Be好感(ビーホガム=好感度が高くなる)」に変わった。呉載元は19日、日本との準決勝で0-3とリードされた9回表に先頭打者として登場、足で土をならしてバッターボックスから出て大きくスイングするなど、投球のたびに大げさな準備動作をして相手投手・則本昂大をイライラさせた。それは一種の「心理戦」だった。呉載元はその後ヒットを打ち出塁、大逆転への扉を開いた。野球ファンは「相手チームだった時はあれほど憎らしかったのに…なぜ斗山ファンが呉載元のことを好きなのか分かった」と熱狂した。別のあだ名「食パン」もアップグレードされた。呉載元はテレビの中継カメラに「××」という放送禁止用語を言っているところがクローズアップされ、これに発音が似ている「食パン」と呼ばれていた。そこで今大会の活躍では「国民の食パン」という称号を得た。また、韓日戦の活躍で「呉烈士」(烈士=国のために正義を守り、忠誠を尽くして闘った人物)という称号も得た。
素早いことから「ムササビ」と呼ばれていた韓国代表チーム主将・鄭根宇(チョン・グンウ)は「安重根宇(アン・ジュングンウ)」になった。日本との準決勝で7回に大谷翔平から初安打を奪い、9回には1-3に追い付く二塁打を放って日本をこらしめたという意味から独立運動家・安重根(アン・ジュングン)と鄭根宇を合わせたものだ。37歳にして今大会無失点投球を繰り広げたベテランの鄭大ヒョン(チョン・デヒョン)はネット上で「さすがクク・デヒョン(国家代表+鄭大ヒョン)」と言われている。李大浩のあだ名「朝鮮の4番打者」は日本との準決勝で2打点決勝タイムリーを出したことによりあらためてネットを熱くした。金寅植(キム・インシク)監督には「ゴッド(god=神)寅植」との称号が贈られた。