専門家の多くは、韓国が為替操作を行っている米国の主張には納得がいかない面が多いと話す。最近2-3年のウォンの対ドル相場は1ドル=1100ウォン前後で維持されている。為替当局にとっては無理に市場介入する必要自体がなかった。
また、過去5年間に主要国の通貨が対ドルで下落したのに対し、ウォン相場はほとんど変動しなかった。2010年10月20日に1126.90ウォンだったウォン相場は20日現在で1121ウォン水準で取引されている。一方、日本円の価値は暴落と言ってもよいほど下落した。同じ期間に円は81円から119円へと46%も円安が進んだ。中国の人民元も同じ期間に6.64元から6.36元へと4.3%下落した。ただ、中国は昨年だけで3432億ドルの対米貿易黒字を上げており、切り下げ幅はまだまだ小さいと評されている。韓国の昨年の対米貿易黒字は237億ドルで中国の7%にすぎない。
専門家は「故障したテープレコーダーにように周期的に根拠なく『韓国は為替操作国だ』という米国も問題だが、ぬれ衣を着せられてもそれを解決しようともしない韓国為替当局の不感症も深刻だ」と指摘した。
建国大のオ・ジョングン特任教授(経済学)は「さまざまな資料を総合すると、『ウォンが過小評価されており、韓国政府が為替市場に介入している』という米国の認識は不当で話にならない。米国が中国や日本の為替政策を黙認しておきながら、韓国だけ問題にするのは、韓国の為替当局が為替外交分野でまともな機能を果たしていないことを示している」と批判した。
韓国経済研究院のペ・サングン副院長は「為替操作国というぬれ衣を着せられれば、為替相場が急激に変動しても為替当局が米国の視線のせいで積極的に対処できない。為替当局が安穏とした態度から脱却し、韓国経済と為替市場の状況に対する正確な情報に基づき、米国を説得する努力をすべきだ」と指摘した。