米ワシントンのホワイトハウスで16日、韓米首脳会談に向け行われた実務レベル交渉は難航したもようだ。出席者によれば、北朝鮮に対する共同宣言文作成には特に問題はなかったが、両国の戦略的協力プランを包括的に定めた「韓米関係現況共同説明書(ファクトシート)」の作成時、米国側が突然「為替操作」問題を切り出し、交渉は決裂の危機に直面した。互いに主張を譲らなかったため、交渉は首脳会談当日の未明4時までまとまらなかったという。交渉関係者によると、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、韓国の加入意思と米国による歓迎の文言を盛り込むことには合意したが、米国側が突然「韓国はこれ以上為替操作を行うべきではない」という趣旨の文言を共同説明書に付け加えることを主張し交渉は難航した。
韓国は議題にない内容を無理に押し込むべきではないと反論。米国側も原則的な内容であって、反対理由はないはずだと突っぱねた。結局韓国側が「為替担当者が出席していない状態で敏感な内容を盛り込むことはできない」と説得し、最終的には「両国は財政、通貨、為替などを含むマクロ経済の全般的状況に対する理解を増進していく」とする文言を盛り込んだ。
米国側の為替操作問題での圧力は、米国内でのムードを反映したものだ。オバマ政権でホワイトハウスの大統領補佐官(経済担当)を務めたグッドマン戦略国際問題研究所(CSIS)首席研究員は「米議会には韓米自由貿易協定(FTA)に失望するムードが一部にあり、特に韓国が為替相場を操作し、貿易をねじ曲げているという懸念が存在するのは事実だ」と指摘した。