朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が今月3日、中国・北京で行われる抗日戦争勝利70周年(戦勝節)記念閲兵式に出席することについて、産経新聞は先月31日、朴大統領を明成皇后(日本での呼称:閔妃〈びんひ〉)に例えるコラムを電子版に掲載し「韓国は朝鮮王朝末期と同じような事大主義外交を繰り広げている」と主張した。
産経新聞のコラムは「韓国外交が事大主義のDNAを発揮している。歴史的に韓国が事大(弱国が強国に付き従う)の相手を変えるたび、わが国は存亡の危機に瀕してきた。日本が(朝鮮に)独立を促すと、清にすり寄って日清戦争の火種を造り、日本が勝つとロシアにすがって、日露戦争の誘因の一つを造った」とつづった。また「朝鮮には朴大統領のような女性の権力者がいた。閔妃の勢力はロシア軍の支援で権力を奪還したが、3カ月後に閔妃は暗殺された」と主張した。朴大統領を明成皇后に例えて身辺の脅威を暗示したもので、外国の首脳に対する批判という範疇を超えた指摘だ。
これに対し韓国の与野党は一様に産経新聞を批判した。与党セヌリ党の金栄宇(キム・ヨンウ)首席スポークスマンは「産経新聞の妄言は日本の極右主義の恥ずかしい自画像だ。ただあきれるばかりだ」と述べた。野党・新政治民主連合のキム・ヨンロク首席スポークスマンも「朴大統領が中国の戦勝節(記念閲兵式)に出席することを『事大主義』として問題視するのはむしろ、日本の米国に対する事大主義を浮き彫りにするものだ」と主張した。