人類の歴史で最もあきれた、信じられない事例を取り上げてみた。従軍慰安婦問題もこの延長線上にあると理解できる。第2次世界大戦当時、韓国は日本の植民地だった。戦争を行った旧日本軍が、植民地にした国の女性を組織的に従軍慰安婦にしたというのは衝撃的で信じがたい事実だ。人類の歴史で戦争が起こるたび、悪行はあった。問題は、悪行をした日本政府の卑劣な態度だ。人にも国にも過ちはある。だからこそ、真摯(しんし)な謝罪には許しが伴わなければならない。しかし、日本政府は今も「従軍慰安婦は民間業者がした人身売買だ」という詭弁(きべん)を繰り返している。ドイツは徹底した謝罪により「ドイツ」と「ナチス・ドイツ」「ヒトラーのドイツ」を切り離すことに成功した。だが、日本は「ドイツは謝罪するに値するが、自分たちはそれほどまでに間違ったことはしていない」という態度だ。
人類の歴史を振り返ると、国家と宗教の名の下でなされた悪行が最も残酷だった。日本人たちにとって天皇は神と同じだという。だから、あれほど残酷だったのだろうか。戦争という極限の状況で起きた過ちすら認めないなら、日本は果たしてどんな過ちを認められるのだろうかという気もする。元従軍慰安婦たちは両目を見開き、生きている。このままなら将来、「日本政府が最後まで自分たちの過ちを認めないこと自体、人類の歴史であきれた、信じられない事例だ」と誰かが書くことになるかもしれない。