済州道近海で違法な手段により捕獲され、同道西帰浦市のイルカショー業者に売られたミナミハンドウイルカ2頭が、今年7月ごろ、故郷の海に返されることになった。同じ時期に捕獲された「チェドリ」「サムパリ」「チュンサミ」のイルカ3頭が放流されてから2年ぶりのことだ。
ソウル大公園は12日、ミナミハンドウイルカの「テサニ」(推定20歳、オス)と「ポクスニ」(推定17歳、メス)を、今月14日に済州市朝天邑咸徳里のチョンジュ港に送ると発表した。2頭は同港近くの訓練場で2カ月間にわたって適応訓練を受けた後、放流される予定。
テサニとポクスニは、14日午前5時30分から2時間半にわたって健康診断を受けた後、同8時から移動を開始する。全長3メートル、幅と高さが各1メートルの水槽に入れ、半導体輸送用の無振動車に載せて仁川国際空港まで運び、アシアナ航空のチャーター機で済州へ空輸した後、再び無振動車でチョンジュ港へ運ぶ。済州への輸送と適応訓練の費用として、海洋水産部(省に相当)の予算から約2億ウォン(約2200万円)が計上された。
先に放流された3頭を含む5頭のイルカは2009年に捕獲され、チェドリはソウル大公園に、残りの4頭は西帰浦市のパシフィックランドに売られた。2012年、動物保護団体がこの5頭について「違法な手段により捕獲された」として訴訟を起こし、13年3月にはソウル市はが、裁判所の判決とは関係なくチェドリを放流する方針を打ち出した。その後、大法院(日本の最高裁判所に相当)がパシフィックランドに有罪判決を下し、4頭を没収したが、元気だったサムパリとチュンサミだけがチェドリと一緒に放流され、テサニとポクスニはソウル大公園に移されて、健康を回復するための訓練が行われてきた。