ホーム > 社説・コラム > 社説 print list prev

【社説】イ・スンチョル入国拒否、日本は理由を明らかにせよ

 歌手イ・スンチョルさん夫妻が9日、日本に入国しようとして入国管理局から入国拒否され帰国した。4時間ほど審査室に足止めされて調べを受けた後、帰国便に乗った。

 今のところ、その理由は明らかでない。イ・スンチョルさんは聴取が始まる前に「メディアに出たことのため」という言葉を通訳を通じて聞き、今年8月に独島(日本名:竹島)で南北統一に関する歌を歌ったことだと思ったという。しかし、日本側は聴取時にこの話を全くせずに、1990年にイ・スンチョルさんが大麻を吸引したことだけを集中的に聴取したとのことだ。イ・スンチョルさんは1990年以降、15回にわたり日本に入国している事実を挙げ、なぜあらためて問題視するのかと問いただすと、「その時はインターネットが発達していなかったため」というあきれた回答をした。

 出入国承認はすべて国の主権事項であるため、正当な理由があれば、あれこれ言う問題ではない。しかし、納得のいく説明がなければ外交問題に飛び火する可能性もあることを日本政府も分かっているはずだ。24年前の薬物使用歴だけで韓国のトップ歌手の入国を拒否すれば、ほとんどの韓国人たちが納得すると判断したわけでもなかっただろう。独島上陸歴が理由なら、なおのことあり得ないことだ。独島は毎年20万人以上の韓国人が訪れている韓国領土だ。その島で南北統一の歌を合唱したことが入国拒否の理由なら、韓国人全員が入国禁止になるということにほかならない。日本は以前にも「独島は我が領土」を歌った歌手の入国を拒否したことがあり、独島までの遠泳プロジェクトに参加した俳優に向かって外務省副大臣が「これから日本に来るのは難しくなるだろう」と発言したことがある。

 日本政府は、イ・スンチョルさん本人はもちろん、韓国政府にも正確な理由を明らかにせず、説明しないことが国際領事慣行だとしている。そうすればするほど、状況はさらに悪い方向へ転がって行くかもしれないということを日本政府は気付くべきだ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい