珍島沖の旅客船セウォル号沈没事故で、イ・ジュンソク船長(69)と乗組員の大半が事故後すぐに船を脱出していたことが分かった。乗組員が救助されているころ、乗客は「船室から動くな」という船内放送を聞いていた。乗客が逃げ出せないようにしておいて、自分たちだけ先に逃げたと言われても仕方ない状況だ。
中央災害安全対策本部によると、17日午後11時現在、セウォル号の乗組員29人のうち、約7割に当たる20人が救助された。一方、檀園高校の修学旅行生325人のうち救助されたのは23%の75人にとどまった。同校の教員14人のうち救助されたのはわずか2人だ。生徒らに比べ、救助された乗組員の割合がはるかに高いのは、乗組員らが船内放送には従わずに動いていたからとみられる。
16日午前8時52分、「ゴン」という音とともに船が左側に急に傾き、乗客が動揺すると、乗組員は3分後から「外に出ると危険なので船室から動かないように」と船内放送を数回行った。指示に従い、乗客が船室にとどまる間、船長や航海士は船から逃げ出し、真っ先に救助された。
生存者のJさんは「船が沈没する前、真っ先にヘリコプターで救助されたのが乗組員だった。彼らが救助された当時、乗客には船室で待機しろというばかりで、外に避難しろという放送はなかった」と証言した。