「『韓国ドラマが好きな中国人は教育・所得水準が低い』という論文の内容は間違っている。ト・ミンジュン教授(SBSドラマ『星から来たあなた』の男性主人公)に謝罪せよ」…。
「『星から来たあなた』アジア・ファンクラブ」名義で19日付本紙に出された全面広告に関して、指摘された論文の著者でソウル大学メディア情報学科のカン・ミョング教授から本紙にメールが送られてきた。メールには「思慮の浅い表現で中国の韓国ドラマファンにご心配をお掛けしたことに遺憾の意を表します。何よりもト教授に申し訳ないと伝えたい」と書いてあった。以下はメールの全文。
『星から来たあなた』ト・ミンジュン教授へ
本当に熱い一日でした。中国人視聴者の文化的趣向の多様性を示すために書いた論文が、このように大きな問題に発展することになろうとは思いませんでした。何よりも思慮の浅い表現で中国の韓国ドラマファンの皆さんにご心配をお掛けたしたことに対し遺憾の意を表したいと思います。
昨年発表した論文は、中国で韓国ドラマが人気を呼んでいる現象について、より深い理解が必要だという観点から始まったものでした。何よりも多様な中国人視聴者をどのように理解すべきなのか、中国人視聴者の趣向において韓国ドラマはどのような位置付けになっているのかを調べようしたものです。中国が韓流ブームに沸いているからといって喜ぶだけではなく、中国人視聴者が何をいいと思っているのかを知るべきだと言いたかったのです。
資料に限りはありましたが、それでもそれなりの発見がありました。それは中国人視聴者の多様な文化的趣向でした。大きく分けて四つの趣向グループを発見することができました。文化のるつぼのような中国の今を確認することもできました。中国人視聴者は層が多様で、韓流だけが好きなのではなく、さまざまなドラマを見ていることを伝えようと思いました。
そもそも学歴と収入と趣向の相関関係を語ろうとしていたのではなく、趣向グループの代表的な特性を説明しようとしたものです。問題になったのはこの部分でしょう。メディアの報道を通じて単純化された説明は、私が見ても読む人に不快感を与えるだろうと思わせるものでした。無念に思う気持ちもありますが、当初はもう少し思慮深い解釈と説明をすべきだったということまで考えるに至りませんでした。
私の論文が昨年すでに中国で話題になっていたことは知っていました。ですが、国境を超えた大衆文化現象について、私が解明の機会を設けるのは容易ではありませんでした。今回この広告が出されたことにより、かえって中国人視聴者に真意を伝える機会を得られたのですから、感謝の言葉も申し上げたいと思います。それに『星から来たあなた』は私も好きで、従来の韓国ドラマの法則性を超えた『質が良くて面白い』ドラマだと思っていました。中国での人気についても、『星から来たあなた』のコンテンツパワーと中国人視聴者の洗練された趣向に対するアプローチが必要だと強調していました。
「アジアの時代が近づいている」という声や「国境を超えた文化交流が増えた」という声はよく聞かれますが、その過程でどのような慎重さが必要かということに対する答えはまだ未知の領域でしょう。人々をあおるようなメディア環境では、細かな表現一つでも国境を越えると大きな確執に発展することをより深く実感できました。まずは互いを理解し、立場の違いを考慮したアプローチが必要だと思います。
今回のことを通じて、中国と韓国の間で一層思慮深い対話と交流の機会が続いていくよう期待します。韓流ブームについても、実際に韓国ドラマを楽しみにしている中国人視聴者の声が聞けるよう、そうした機会を今後さらに積極的につくっていこうと思います。熱い気持ちで対話の場を設けてくださった中国の韓国ドラマファンに感謝の言葉を申し上げたいと思います。そして何よりもト教授に申し訳ないとお伝えます。