国連南スーダン派遣団(UNMISS)の一員として派遣された韓国軍の「ハンビッ部隊」が、同じく南スーダンに派遣されている日本の自衛隊から小銃用の弾薬1万発の提供を受けた過程について、韓日政府の説明が食い違い、真相をめぐる韓日の攻防が激化している。
日本政府は「21日午後10時(現地時間)ごろ、韓国軍の現地部隊の責任者である大領(大佐に相当)から、日本の自衛隊に電話で実弾1万発を貸してほしいという緊急の要請があった」と24日に主張した。
つまり、ハンビッ部隊の隊長が、国連を経由せずに直接自衛隊に弾薬を要請してきたというわけだ。一方、韓国国防部(省に相当)はこれまで「国連に対し弾薬を支援してほしいと要請し、国連を通じて自衛隊から弾薬を支援してもらった」としており、両者の説明には大きな隔たりがある。
国防部の関係者は25日「日本側の説明は誤っている」と反発。この関係者は「21日午後(現地時間)、ボル地域の国連基地に駐屯中のハンビッ部隊とネパール軍、インド軍、ルワンダ軍が会議を開いた。このときハンビッ部隊が、部隊を守るために追加の弾薬が必要だと要請した」と語った。ネパール軍とインド軍は歩兵中心の部隊で多数の弾薬を保有していたが、口径7.62ミリ小銃用の弾薬だったため、韓国軍の口径5.56ミリ小銃には使えなかった。
ボル地域にいた国連軍の連絡将校(オーストラリア軍の大佐)はこの事実をUNMISS本部に伝えた。UNMISS本部は南スーダンに駐屯している部隊のうち5.56ミリ小銃弾を使用している国を探し始め、韓国軍部隊にも一緒に探すよう連絡してきた。
この過程で韓国軍の実務将校が、自衛隊に対し、弾薬を持っているかどうかを確認する電話をかけたというわけだ。その後、UNMISSは自衛隊に弾薬1万発を要請し、日本側がUNMISSに弾薬を無償で提供したという。
だが日本政府は25日にも、これまでの主張を繰り返した。日本政府の菅義偉官房長官は同日の記者会見で、韓国が現地部隊と在日韓国大使館を通じて弾薬提供を直接要請してきたと重ねて強調した。
韓国軍の消息筋は「自衛隊は韓国軍の将校から電話を受けたときに、韓国軍がUNMISSを通さず直接要請してきたと誤解した可能性がある」と語った。