タクシー業者らが保険金詐欺、驚愕の手口が明らかに

違法タクシー業者がタクシーと故意に接触、保険金5700万円詐取
タクシー共済組合幹部ら、性的接待受け共謀
警察「保険詐欺のギフトセット」

タクシー業者らが保険金詐欺、驚愕の手口が明らかに

 主に風俗店で働く女性たちを対象に、自家用車を利用した違法タクシー営業(日本でいう白タク営業)を行っていたA容疑者(31)は、2010年から今年7月にかけ、ソウル市内で交通事故により、23回にわたって総額1億2400万ウォン(現在のレートで約1200万円)もの保険金を受け取った。同じ時期、同業者たちも11-13回にわたって保険金を受け取っていた。A容疑者らには「タクシーとの衝突事故がたびたび発生する」「タクシーを避けるかのように、わずかに接触する事故が多い」「事故が起こる地点が、ソウル市江南区ノンヒョン洞の交差点など特定の地域に集中している」という共通点があった。これを不審に思った警察は捜査に着手した。その結果、タクシー業者にとっての保険会社の役割を担っている「全国タクシー共済組合」の幹部らが、A容疑者らから性的な接待を受けたほか、数千万ウォン(1000万ウォン=約96万円)相当の金品の提供や接待を受け、保険詐欺を企んでいたことが分かった。A容疑者らは少なくとも45回にわたって故意に衝突事故を起こし、6億ウォン(約5700万円)もの保険金を手にしていた。

 ソウル瑞草警察署は25日「タクシー運転手たちの権益を守るために設立された全国タクシー共済組合が、むしろ組合員たちの金を奪う形の保険詐欺に手を染めていた事実を突き止めた。これらの容疑で、犯行に積極的に関与したタクシー共済組合の対人被害担当者のB課長(44)と、23回にわたって保険金を受け取った違法タクシー業者のA容疑者を逮捕した」と発表した。さらに警察は捜査の過程で、全国タクシー共済組合の幹部5人と、違法タクシー業者の関係者6人だけでなく、保険詐欺だということを知りながら虚偽の診断書を発行した容疑などで、病院の関係者3人も一斉に摘発した。警察の関係者は「今回の事件は、道路上でのあらゆる迷惑行為を凝縮した、まるでギフトセットのような保険詐欺だ」と語った。

 警察によると、全国タクシー共済組合で対人被害を担当するB課長は2010年ごろから、顔見知りだった違法タクシー業者のC容疑者(44)らと共に保険詐欺を計画した。B課長らはC容疑者らに対し、保険金を簡単に受け取れるよう便宜を図る見返りに、保険金の50%程度を受け取ることを約束した。その後、C容疑者らは主にタクシーを狙って故意に衝突事故を起こした。進路を変更したり、安全地帯を通行したり、信号違反をしたりしたタクシーは格好の餌食になった。違法タクシー業者が故意に事故を起こすと、B課長らが「道路に寝そべった後、保険会社に電話しろ」などとアドバイスしていた、と警察は説明した。また、タクシー共済組合で監査が行われていた機関には詐欺行為を中止するなど、計画的な行動を取っていた。

 警察は、タクシー共済組合の幹部らから、マッサージ店を装った風俗店で性的な接待を受けていたという供述も確保した。5-6回にわたって受けた接待の費用だけで1500万ウォン(約140万円)に達し、また自分の銀行口座に3100万ウォン(約300万円)もの「上納金」を振り込ませた幹部もいたという。一方、違法タクシー業者が詐欺行為をしているということを知りながら、「常連客」のように接して虚偽の入院を黙認していたとして、医師ら3人を書類送検した。病院の関係者は「患者(違法タクシー業者)たちの入院の過程である程度便宜を図ったのは事実だ。夜に病室に行くと、入院したはずの患者がベッドにいないという状況もたびたびあった」と話した。警察はこのほか、車の修理業者がでっちあげた見積書を提出していた証拠をつかみ、捜査を行っている。

キム・ヒョンウォン記者
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