ベンツで逃走の「麻薬王」、2時間カーチェイスの末「御用」

ベンツで逃走の「麻薬王」、2時間カーチェイスの末「御用」

 ソウル中央地検強力(凶悪犯罪担当)部(ユン・ジェピル部長)は24日、メタンフェタミン(覚せい剤)の密売を手掛け「金海の麻薬王」と呼ばれていたA容疑者(43)と常習使用者ら6人を起訴し、釜山市と慶尚北道浦項市の覚せい剤密売人2人を指名手配したと発表した。また、A容疑者が所持していた1万2000人分のメタンフェタミン370グラム(1億2000万ウォン〈約1100万円〉相当)を押収した。

 検察によると、A容疑者らは2012年10月から今年4月にかけ、密輸組織が中国から釜山に持ち込んだメタンフェタミン318グラムを販売仲介者のB容疑者(48)に売った疑いが持たれている。B容疑者らはこれを首都圏や慶尚道で販売するなどしたという。

 A容疑者は検察の捜査を逃れるため、覚せい剤を売買する際はその都度場所を変え、高性能望遠鏡で取引場所を下調べしていた。また、B容疑者が逮捕されると、その婚約者に弁護士費用とB容疑者への「差し入れ」としてメタンフェタミン50グラムを与えた。A容疑者の車からは日本刀も見つかっている。

 検察は今年7月、慶尚南道金海市でA容疑者の検挙に乗り出したが、検察の車に気付いたA容疑者はベンツで逃走を図り、約2時間にわたるカーチェイスが繰り広げられた。検察は麻薬捜査官の乗ったバンとレンタルした軽自動車「モーニング」で数十キロほど追跡したが、A容疑者のベンツには追いつけなかった。

 やがて金海市の体育公園付近でA容疑者のベンツを発見した捜査官らは、検察の車であることがばれたバンの代わりにモーニングでベンツに近づいた。これに気付いたA容疑者は再び逃走を図ったが、車が坂道に落ちて動かなくなり、御用となった。

 今回の事件は、昨年、女性の検事として初めてソウル中央地検強力部に配属されたキム・ヨンシル検事が主任を務めた。

全洙竜(チョン・スヨン)記者
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