2007年の南北首脳会談の議事録が行方不明になった事件について捜査を行ってきた検察が「故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が退任後、慶尚南道金海市進永邑ポンハ村の私邸に持ち出した、盧政権下の大統領府の文書管理システム『e知園』の中から、首脳会談の議事録を発見した」と発表した。
ソウル中央地検公安2部(キム・グァンス部長)は2日「盧元大統領がポンハ村の私邸に持ち出し、後に返却した『e知園』の中から、議事録が削除された痕跡を発見し、これを復元するのに成功したほか、別の議事録も発見した」と述べた。
その上で検察は「『e知園』から削除され、このほど復元した議事録と、新たに発見した議事録、国家情報院が保管していた議事録は全て同じ内容で、三つとも完全無欠の状態だ。『e知園』から削除され、復旧した議事録と、国情院が保管し、先に公開した議事録には、内容の違いがあるわけではないが、意味のある違いはある」と説明した。盧政権が南北首脳会談の議事録を作成した後、盧元大統領の発言のうち不適切または論議を呼びそうな表現については修正した可能性がある、と示唆したわけだ。
検察は、国家記録院の大統領記録館から首脳会談の議事録を見つけることは出来なかった。これについて検察は「正式な手続きを取り、大統領記録館に移管された大統領記録物を全て閲覧したところ、南北首脳会談の議事録はなく、外部に持ち出された痕跡も見つからなかった」と説明した。
検察は、大統領記録物を記録館に移すために使用された外付けハードディスクや、大統領記録物管理システム(PAMS)、「e知園」のソースコード、コンピューターネットワークに直接接続して使用するファイルサーバー「NAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)」、大統領記録館の書庫に移管された記録物など、計755万件の資料を全て確認した結果、上記のような結論を下したという。
その上で検察は「国家記録院の大統領記録館に当然移管されていなければならない首脳会談の議事録が、最初から移管対象の記録物に分類されておらず、『e知園』に登録された状態で削除されていた」と説明した。
検察は来週から、盧政権当時の大統領記録物の作成や補完などに関与した大統領府の関係者約30人に対し事情聴取を行う方針だ。検察は関係者たちに対し、議事録が削除された経緯や、誰が削除を指示したのかなどについて、集中的に捜査を行うという。
検察の関係者は「議事録は必ず(大統領記録館に)移管されなければならない資料だが、それが移管されていないとすれば問題があり、削除されたとすればさらに大きな問題だ」と話した。2007年の南北首脳会談の議事録は、少なくとも大統領記録物に該当するため、これを国家記録院に移管しなかったり、削除したりした場合、関係者たちを刑事訴追する可能性もあるというわけだ。