▲ソウル・瑞草高校は2013年、校庭に慰安婦被害者をたたえる少女像=左の写真=を作った。しかし、彫刻家の金運成(キム・ウンソン)夫妻から「著作権法違反」という電話がかかってきたため、この少女像を廃棄した。そして同年9月、新しい少女像=右の写真=を作った。製作費用はそれぞれ600万ウォン(現在のレートで約54万円)だった。金運成氏は同じサイズの少女像の価格を3300万ウォン(約300万円)として受け取っている。金運成氏は2016年から正義連の理事を務めている。写真提供=瑞草高校
ソウル市瑞草区にある瑞草高校の校庭には、高さ1.3メートルの慰安婦被害者少女像が立っている。2013年に全国で初めて校内に設置された慰安婦被害者少女像だ。この少女像は、彫刻家の金運成(キム・ウンソン)、金曙炅(キム・ソギョン)夫妻が作った代表的な慰安婦被害者象徴物「平和の少女像」とは姿形が違う。「平和の少女像」はおかっぱ頭で正面を向いているが、瑞草高校の少女像は髪を一つにまとめて三つ編みにし、頭..
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▲ソウル・瑞草高校は2013年、校庭に慰安婦被害者をたたえる少女像=左の写真=を作った。しかし、彫刻家の金運成(キム・ウンソン)夫妻から「著作権法違反」という電話がかかってきたため、この少女像を廃棄した。そして同年9月、新しい少女像=右の写真=を作った。製作費用はそれぞれ600万ウォン(現在のレートで約54万円)だった。金運成氏は同じサイズの少女像の価格を3300万ウォン(約300万円)として受け取っている。金運成氏は2016年から正義連の理事を務めている。写真提供=瑞草高校
ソウル市瑞草区にある瑞草高校の校庭には、高さ1.3メートルの慰安婦被害者少女像が立っている。2013年に全国で初めて校内に設置された慰安婦被害者少女像だ。この少女像は、彫刻家の金運成(キム・ウンソン)、金曙炅(キム・ソギョン)夫妻が作った代表的な慰安婦被害者象徴物「平和の少女像」とは姿形が違う。「平和の少女像」はおかっぱ頭で正面を向いているが、瑞草高校の少女像は髪を一つにまとめて三つ編みにし、頭が少し左に向いている。
もともとはこの少女像もおかっぱ頭でいすに座り、正面を向いていた。だが、除幕式まであと1週間だった2013年8月、金運成氏側が学校に電話をかけてきた。「著作権侵害なので設置してはならない」という話だった。当時瑞草高校の校長だったイ・デヨンさんは「教育目的で使うのに著作権を主張するケースはほとんどないので当惑した」と話す。学校側は圧力に耐えられず、600万ウォン(現在のレートで約54万円、以下同じ)かけて作った最初の少女像を廃棄した。金運成氏は少女像1体につき3300万ウォン(約300万円)を受け取る。イ・デヨンさんは「金運成氏の少女像はあまりにも高価で、学校の財政的には無理だった。生徒15人が歴史専門家の助けを借りて新たな図案を書き、1カ月で今の少女像を完成させた。費用は600万ウォンだった」と言った。この図案はその後、ソウル・舞鶴女子高校、釜山ハンオル高校(当時はプソン高校)などがそのまま使用した。もちろん著作権料はない。
一般の人々によく知られている金運成夫妻作の「平和の少女像」は2011年、ソウル市鍾路区の旧日本大使館前をはじめ、現在国内外の95カ所以上に建てられている。今ではすっかり慰安婦問題を伝える象徴物として定着した。米カリフォルニア州グレンデール市では2013年7月30日に平和の少女像の除幕式が行われ、その日を「慰安婦の日」として記念しているほどだ。
しかし、少女像を設置する所が増えるにつれ、金運成氏側が「平和の少女像」を過度に商業利用しているという指摘も出ている。金運成夫妻は2011年以降、旧日本大使館前に設置したのと同じ高さ1.3メートルの「平和の少女像」を95体販売し、少なくとも31億ウォン(約2億7700万円)の売り上げがあったと推定されている。その費用は少女像を設置した地域の住民の寄付により負担された。
金運成夫妻は高さ1.3メートルの標準タイプの少女像よりも小さい、高さ10-50センチメートルの少女像も1万体近く売った。まず、2016年2月にインターネットのクラウドファンディングを通じて2万-82万ウォン(約1800-7万3000円)を支援すれば、金額に応じて10-30センチメートルの小さな少女像を発送するという方式だった。2カ月間で9003人が小さな少女像を合計2億6652万ウォン(約2400万円)で買った。これとは別に、全国の小中高校にも標準タイプより小さい少女像を売った。生徒たちの募金を元に「小さな少女像設置運動」が行われた。ソウル・梨花女子高校の歴史サークルが2016年3月、ソーシャル・メディアに「全国の慰安婦被害者の数と同じ239体の小さな少女像を全国の学校に置こう」と呼びかけて他校の参加を促し、1年で239校の生徒たちが参加した。各校によると、高さ30センチメートルの少女像は50万ウォン(約4万5000円)、40センチメートルのものは60万ウォン(約5万4000円)だったという。これを元に計算すると、推定売上高は1億1950万-1億4340万ウォン(約1070万-1280万円)となる。クラウドファンディング販売と学校販売の少女像だけで少なくとも3億8000万ウォン(約3400万円)の売上があったということだ。
だが、似たような大きさの少女像をこれよりもはるかに高い値段で学校に渡していた事例も確認されており、関連売上高はさらに多い可能性もある。江原道春川市の春川女子高校は昨年2月、金運成氏側で作った高さ50センチメートルの少女像を校庭に設置したが、当時募金運動に参加した生徒Aさんは「合計550万ウォン(約50万円)を募金して金運成夫妻に渡した」と話す。2019年1月に校内に少女像を設置した慶尚南道咸安郡の咸安女子中学校も、金運成夫妻の少女像があまりにも高価だったため、弘益大学美術学部の学生が作った図案を元に少女像を作った。咸安女子中学校のキム・ミンジュ校長は「図案費や鋳物の製作費などを合わせて1200万ウォン(約110万円)かかった」と言った。同校長は「調べたところ、少女像製作は彫刻家の言い値だった」と話す。金運成氏の少女像は少なくとも34億ウォン(約3億円)台のビジネスでもあったことになる。
金運成氏は2016年から「慰安婦被害者支援」などを掲げて活動している「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)=旧「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)=の理事を務めている。
チョ・ユミ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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