国際総合
東京はまだFAX 2台で感染者情報収集…「統計反映に3日かかる」
日本では最近、新型コロナウイルス感染拡大「第2波」の兆しが現れている。ところが、一部の地域ではいまだにすべての対策の基本となる感染者集計がアナログ方式で行われている。東京都の場合、新型コロナウイルス感染陽性診断後から都の公表までに3日ほどかかる状況だ。
毎日新聞はこのほど、「国内初の感染者が確認された1月16日から半年たっても、全国的な情報集約システムが確立していない」と指摘した。日本政府が5月に運用を始めた新型コロナウイルス感染症の情報把握システム「HER-SYS(ハーシス)」の普及が遅れ、まだきちんと稼働していないということだ。
HER-SYSは中央政府・自治体・医療機関が感染者の情報を共有できるようにしたシステムだ。しかし7月現在、保健所が設置されている155自治体のうち、25%に当たる39自治体がHER-SYSの利用を始めていなかったという。特に、毎日最多感染者数の記録を更新している東京都の多くの保健所で、まだHER-SYSを使用する準備ができていないとのことだ。
朝日新聞によると、東京都はまだファクスを中心に動いているという。今年5月、東京都でファクスを使って報告していて感染者111人が抜け落ち、35人を重複して集計していたことが明らかになった。それでも東京都庁の30階にある新型コロナウイルス対策本部では依然としてファクス2台を中心に動いている。都内31保健所では毎日午前9時まで「新型コロナウイルス発生申告」が到着する。感染者1人につきA4用紙1枚を使用して、毎日報告書が山積みになっている。
東京都が毎日発表する一日の新規感染者数は、前日午前9時から当日午前9時までに都の本部にファクスで報告された人数だ。ところが、東京都によると、陽性と判明した日から都の公表までに3つの段階を経るので三日ほどかかるという。医師が患者情報を記した「発生届」を作成し、管轄の保健所にファクスで送ると、保健所は記載内容に異常がないことを確認した上で、個人情報を削除した後、東京都に転送、これをまとめて発表する方式なので、時間がかかるのだ。
こうした状況について、確立されたマニュアルなしに既存のシステムをすぐに変えない日本社会の構造のせいだという指摘もある。「すべての業務をデジタル化して中央集約して処理すれば、ファクス担当職員はどうするのか」という反論もあるという。地方分権の伝統が強く、中央政府が指示してもすぐに変えない文化が原因だという人もいる。日本では18日、一日の新規感染者数が約660人出た。